やさしい年金と保険の話

年金や保険の疑問を分かりやすく説明します

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60歳以降も正社員なら年金の一部または全部がカットされる

      2016/11/25

60歳の定年以降も再雇用で働き続ける方や

正社員として再就職される方は年金がカットされることがあります。

 

*60歳以降に厚生年金に加入して 働きながら受給する年金のことです。

その年金は『在職老齢年金』といい、年金額が調整されます。

 

*会社勤めを続けてもパートなどで厚生年金に加入しない方は

年金をカットされることはありません。

 

*年齢と年金の月額や総報酬月額相当の金額により計算が方法が変わります。

 

*年金の基本月額:特別支給の老齢厚生年金の月額(加給年金は含みません)

*給与(総報酬月額相当額):その月の標準報酬月額+直近の賞与の12分の1の金額

 

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★60歳~64歳

○年金の基本月額+給与(総報酬月額相当額)=28万円以下の方は全額支給。

☆上記の合計が28万円を超えると、超えた分の半分が年金から減額されます。

 

○年金基本月額が28万円以下で 総報酬月額相当額47万円以下の場合

*例えば 年金基本月額10万円  総報酬月額相当額25万円の場合

10万円ー(10万円+25万円ー28万円)÷2=6万5千円

 

*↑本来もらえるはずの10万円の年金が3万5千円減額されて

6万5千円の支給になります。

 

○年金基本月額が28万円超えで 総報酬月額相当額47万円以下の場合

*例えば年金基本月額30万円  総報酬月額相当額40万円の場合

30万円ー40万円÷2=10万円

 

*↑本来もらえるはずの30万円の年金が20万円減額されて10万円に。

 

○年金基本月額が28万円以下で 総報酬月額相当額47万円超え

*例えば年金基本月額20万円  総報酬月額相当額50万円の場合

20万円ー{(47万円+20万円ー28万円)÷2+(50万円ー47万円)}=-2万5千円

 

*↑本来もらえるはずの20万円の年金がゼロに。

 

○年金基本月額が28万円超えで 総報酬月額相当額47万円超え

*例えば年金基本月額30万円  総報酬月額相当額50万円の場合

30万円ー{50万円÷2+(50万円ー47万円)}=2万円

 

*↑本来もらえるはずの30万円の年金が28万円減額されて2万円に。

(実際に年金基本月額が28万円を超える人って少ないでしょうね。

大手企業の会社役員? 多くの方は10万円前後だそうです)

 

☆支給停止額が年金の基本月額を超えると年金は全額支給停止されます

その場合は加給年金も受給できません。

 

 

★65歳以降

○年金の基本月額+給与(総報酬月額相当額)=47万円以下の方は全額支給。

○上記の合計が47万円を超えると、超えた分の半分が年金から減額されます。

 

☆支給停止額が年金の基本月額を超えると年金は全額支給停止されます。

その場合は加給年金も受給できません。

 

☆計算の基礎となる28万円と47万円については

物価や賃金の変更に応じて毎年見直されています。

 

◎ややこしいなぁと感じられる方は

ご自身の該当する金額のところだけ見てください。

計算式に当てはめると簡単に算出できます。

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