相続税が掛からなくても遺言書は必要? 公正証書遺言と自筆証書遺言
2016/11/25
相続に関するトラブルは財産が多い少ないに関係なく起こり得ます。
★特に子供のいない夫婦は遺言書を用意しておきましょう。
子供のいない夫婦は、相続人が『配偶者と親』または『配偶者と兄弟姉妹』になります。
日頃あまり付き合いのなかった兄弟姉妹から権利を主張されることもあります。
また存在すら知らなかった舅の先妻の子供が出て来るかもしれません。
しかし正式な遺言書があれば兄弟姉妹には遺留分がないので権利を主張することは出来ません。
「全財産を妻に相続させる」という遺言書があれば全額を妻が相続出来ます。
有効な遺言書であれば遺産分割協議書への署名捺印を兄弟姉妹にお願いする必要もありません。
★現在 住んでいる家を同居している子供に相続させたい場合も遺言書は必要です。
相続人で分け合うと家を売却しなければならなくなる可能性もあります。
★法定相続人以外にも遺産を残したい場合も
世話になった甥や姪、またお手伝いさんに残したい場合など。
★特定の子供に多く残してやりたい場合も
病弱である、まだ独立していないなど様々な理由で特定の子に多めに残したい場合。
◎遺言書の種類
★公正証書遺言
公証役場で作成します。
間違いが少なく直ぐに遺産分割の手続きが出来ます。
保管されるため紛失や改ざんがありません。
手数料が掛かりますが安全で確実です。
*手数料
公正証書遺言の作成費用は手数料令という政令で定められています。
〇 100万円まで 5,000円
○ 200万円まで 7,000円
○ 500万円まで 11,000円
○1000万円まで 17,000円
○3000万円まで 23,000円
○5000万円まで 29,000円
○ 1億円まで 43,000円
*1億円を超え3億円まで5,000万円ごとに13,000円。
3億円を超え10億円まで5,000万円ごとに11,000円。
10億円を超えると5,000万円ごとに8,000円。
加算されます。
*相続や遺贈を受ける人ごとに上記に当てはめて手数料を求め全員の手数料を足します。
*全財産が1億円以下の時は遺言加算(11,000円)されます。
(手数料以外に11,000円掛かる)
*遺言者が病気などで公証役場に行くことが出来なければ、公証人の日当や交通費を支払うばかりか、上記の手数料に50%が加算されます。
*その他にも費用が掛かることもあります。
★自筆証書遺言
本人が全文を自筆で遺言を書きます。
要件を満たさないと無効になります。
改ざんなどの心配もあります。
死亡後、家庭裁判所による検認が必要です。
*自筆証書遺言を書く時のポイント
①すべて自筆で書く。
本文・氏名・日付など
②日付を正確に書く。
○月吉日ではダメ。
③印鑑を押す。
朱肉を使う印鑑を使用
④財産は漏れなく書く。
最後に「上記以外の財産は○○に相続させる。」と書いておく。
*遺言を話す様子をビデオで撮って残すのは無効です。